2024/08/03
先日、とある創業社長に相談された。
「現場のタスクが増えてバーストしている」とのこと。
創業社長であれば、誰もが会社を良くしたいと強いコダワリを持っている。
それが、アレもコレもとなり、気がつけば膨大なタスクとなってしまう。
よくある話だと思います。
そこでアドバイスしたのが、「タスクを1つ増やすとき、タスクを1つ減らす」という方法。
「集中」は、成果を出すために最も効果的な方法の一つです。
確かに、創業社長として多くのコダワリを持つ気持ちはわかります。
しかし、組織の資源は有限であり、最も効果的な行為(おそらく3つくらい)に、資源を集中させることが大事です。
この集中するポイントを見極めることは、経営者としての能力が問われる行為です。
逆に言うと、アレもコレも求めることは、経営者としての仕事を怠けているとも言えます。
そのために、タスクを1つ増やすときには、本当に重要なことかを見極めるためにも、他に削除すべきタスクを探します。
既存のタスクと見比べて、新しいタスクが劣るようであれば、その新しいタスクは「それほど重要ではない」ということです。
逆に、既存のタスクより価値がある、効果的である、ということであれば、「限られたりソース」を利回りが良い行為に振替投資するということになります。
例えるなら、経営者は100万円の資本(リソース)を、最も効果的な銘柄(行為)に投資する投資家みたいなものです。
新たな銘柄D(行為)が、既存の銘柄A・B・Cより利回りがよければ、振替投資をしましょう。ということです。
数字で例えるなら。
既存A30万円:利回り予測10%
既存B40万円:利回り予測12%
既存C30万円:利回り予測13%
で、「新規D:利回り予測15%」と出会ったなら、既存Aの30万円を解約して、新規Dに投資しましょう。
ということです。
もちろん単に追加でもOKですが、その場合は、
既存A20万円:利回り予測10%
既存B30万円:利回り予測12%
既存C20万円:利回り予測13%
新規D30万円:利回り予測15%
と、既存ABCへの投資額が減っている(分散している、利回りが下がる)ということを受容しなければなりません。
もっとも、実際の経営判断では、利回り予測が難しかったり、元本リスクが発生するので、もっと難しい話なのですが・・・
余談ですが、メンタリストのDAIGOさんは、1つの服を購入するときには、2つの服を廃棄すると決めているそうです。
これにより、服が溢れることを防ぎ、「服選び」という意思決定を減らし、本来なすべきことへ集中できる環境を整えているそうです。
ドラッガーの言葉を借りるなら
数年ごとに、あらゆるプロセス、製品、手続き、方針について、「もしこれを行っていなかっ たとして、今わかっていることをすべて知りつつ、なおかつ、これを始めるか」を問わなけれ ばならない。
「まったくしなかったならば、何が起こるか」を考えればよい。「何も起こらない」 が答えであるならば、明らかに結論は、その仕事をただちにやめよということになる。
に近いですね。
ということで、自分の反省も含めて
「経営者の仕事は、リソースを何に集中させるか意思決定をすること」
ということを伝えました。