2024/08/03
とあるスタートアップ幹部のAさんが悩みを吐露はじめた。
うちのトップは、とにかく朝令暮改が激しくて、とてもストレスを感じる。
スタートアップは朝令暮改は当たり前と言いつつも、『聞いてないですよ!』と強い語調で言ってしまうことがあり、自分でも良くない状況だと思っている
蔵元は相変わらずの精神論でこたえる。
スタートアップなんてSWOT分析でもしてみたら、強みがないことがわかるはず。
基本的にスタートアップの強みは「トップの狂気的な志」と「変化し続けるアジャイル体質」だけ。
朝礼暮改に耐えられないなら安定成長の組織に転職すればよい。
もし僕が幹部に「聞いてないですよ!」って言われたら、「いま聞いたじゃん」って言うかもしれないね。
場の雰囲気がちょっと重たくなる。
我ながら乱暴なこと言ったなとも思った。
だけど、事実だし、Aさん強くなってくれなんて思っていた。
すると、某メガベンチャーの幹部である大御所Bさんが口を開いた。
蔵元さんの言っていることは至極当たり前だけど、Aさんの気持ちも理解できる。
Aさんもきっと頭ではわかっているけど、心がなかなか付いて来ないんだよね。
さすが百戦錬磨のBさん、これまで数社の狂気極まる社長のもとで激動の成長と修羅場を乗り越えてきた方の言葉には重みがある。
「聞いてないですよ!」と言いたいときは「お!バージョンアップされたんですね!」とか、
「それは無茶ですよ!」と言いたいときは「挑戦の極みですね!」とか。
そうすることで、トップとの関係性も幹部に相応しい立ち位置に変わるし、何よりAさん自身の気持ちが揺れ動かなくなると思いますよ。
そして、Bさんは続けた。
結局のところ、社長が決めるべきことであれば、社長は幹部の反対を恐れずに決めなければいけない。おそらく、厳しい市場競争のなかで生き抜いていくために、スタートアップは変革し続けなければならない。
変革は、誰にとっても痛みを伴う。
社長も幹部もボロボロになりながら、変革をしていかなきゃならない。
だからせめて自分と仲間だけは労わる姿勢が大事で、それが言葉なんだよね。
だから、ちょっと言葉を選んで、相手も自分も労われる言葉を選ぶ工夫をすると、少しだけ変革の痛みが和らいで、強いアジャイル体質を持ったスタートアップに成長して、結果として市場競争にも勝ち残れるようになるんだ。
さすがだ。
さすが過ぎる。
あまりにも激しい学びだったので、皆さんにも届けたいと思った次第でした。