2024/08/03
もし貴方の周囲に、要領が悪くて、それでいて学習もしない人材がいたとしたら、その人の未来は明るいと思うだろうか?
具体的には、その人材は、要領が悪くて、38人いる同僚の中で、30番目くらいの生産性しかない。
それでいて、その人材の学習時間は、同僚の中で最下位レベルという訳だ。
とっても残念だが、その同僚の名前は、、、、、JAPAN君という名前だ。
日本生産性本部が発表した「労働生産性の国際比較2023」によると、日本の時間当たり労働生産性は52.3ドルで、OECD38か国中30位という結果だ。ちなみに一人当たり労働生産性は、38か国中31位になる。
ちなみに労働生産性は購買力平価(PPP)を用いてるので、「円安のせいだ」とは片づけられない。
しかし、実態として2018年からの下降は著しい(そもそも生産性という意味では、日本は高度経済成長期から低水準ではあった)
なんとも残念なJAPAN君だが、要領が悪いうえに、学習も最下位水準だというのだから、なんとも残念な話だ。
総務省統計局が2022年に発表した社会生活基本調査(令和3年度調査)によれば、日本人の学習時間は平均13分(※1)。
また、パーソル総合研究所が2022年11月に発表した「グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)」によれば、社外の学習・自己啓発活動を行っている日本人の割合は、読書、研修・セミナー・勉強会への参加、資格取得のための学習、通信教育・eラーニング、大学・大学院などほぼすべての学習項目において、アジア・欧米の18カ国・地域(日本、中国、韓国、台湾、香港、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インド、オーストラリア、アメリカ、ドイツ、フランス、スウェーデン)の中で最下位という結果が出ました(※2)。
※1:「令和3年社会生活基本調査結果」(総務省統計局)
※2:グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)
1日13分(週90分)が平均値であることを考えると、おそらく中央値は1日5-8分(週30-60分)くらいが一般ということになろう。
学習時間の定義が以下とのことなので、「新聞・ニュースサイトを読む」が含まれている印象は受けづらい。
「学習・自己啓発・訓練」は、社会人の職場研修や、児童・生徒・学生が学業(授業、予習、復習)として行うものは除き、クラブ活動や部活動は含む。
一方で、平均の通勤時間は片道40分くらいあるらしい。要するに、学習時間より通勤時間の方が圧倒的に長い。
車で通勤する人や、身動きできないくらいの満員電車で通勤する人もいるので、単純には言えないが「要領は悪いくせに、通勤時間を学習時間として活用する気概は少ない」と読み取られてもしょうがない数字だ。
総務省統計局の「平成28年社会生活基本調査」(※)によると、日本全国の平均通勤時間は片道39.5分(往復1時間19分)で、都道府県別では神奈川県が最も多い片道52.5分(往復1時間45分)、次いで千葉県が片道51分(往復1時間42分)、埼玉県が片道48分(往復1時間36分)、東京都が片道47分(往復1時間34分)という結果となりました。
なんとも残念な結果だなぁと思う訳です。
僕は経済学者ではないので、複雑な要因を解説することはできませんが、阿呆なりの精神論として語りたい。
私たちの生産性は先進国一般に比べてとても水準が低い。
それはつまり、時給が低いということだ。
同じ時間働いたなら、デンマーク人の半分しか給与はもらえない。
要因は複雑だろうけれども、、、、
それを指をくわえて受け入れるのは嫌だと思わないか?
せめて努力(=学習)だけは、人一倍やろうよ。
要領も悪い、努力もしない、そんな人生に明るい未来が来る可能性が高いはずはない。
JAPAN君の比喩は誰かを責めたいわけではない。
僕たち一人ひとりが、JAPAN君の身体の一部であり、性格の一部である。
自分は平均以上だからと満足をする人がいれば、それがJAPAN君の成長を阻害する要因となる。
一人ひとりの意識が集結して、JAPAN君の性格が、実績が、形成されている。
できることは、今日の自分がより修練して、明日には0.001%でも成長して、昨日より高い生産性を出すしかない。
そう思う人が一人でも増えて、JAPAN君の未来が少しでも明るくなることを願います。