2024/08/03
翌朝、晴れ晴れとした気持ちで目覚めてヴェネチア行の高速電車に乗りました。
その後、ヴェネチアとフィレンツェと、恐ろしいくらいの極貧旅行を楽しむことができました。
まず心配していた、パスポート無しでの宿泊ですが、「全財産を盗まれたんだ」と説明すると、「OH,それは申し訳ない。でも、イタリアのことを嫌いにならないでくれ」と言ってくれて、当たり前のように宿泊の手続きをしてくれました。
おそらくホテル側も慣れているのでしょう。
そして、ヴェネチアでは、どう考えてもお金が足りなくて夕食を抜いてみたり。
ジョギングならお金は必要ないと思って、早朝5時からジョギングしてみたり。
人通りが少なくて、裏路地だらけのヴェネチアでの早朝ジョギングは、「また襲われるのでは?」という不安が付きまとって、人影を感じると無意味にシャドウボクシングをしてみて、「俺には襲い掛かるなよ」と威嚇してみたり(笑)
※キックボクシングをしていて良かったと心から思いました
朝ごはん用にパンとジュースだけ出たのですが、半分残したパンをカバンに詰めて昼食にしてみたり。
とにかくお金がないから、歩き回って、ガイド本がないから何かわからない歴史的建造物を観光してと過ごしました。
数日後、日本大使館さんとのハードネゴシエーションを経て、無事にパスポートも発給されました。
戸籍謄本が必要で、慣れない海外FAXに何度も挑んでくれたオカンには本当に感謝でした。
で、総論として、イタリアで全財産を盗まれて悪かったことと、良かったことを羅列します。
<悪かったこと>
・約15万円の損失があった
・約4時間にわたり落ち込んだ
・会社のメンバーに迷惑をかけた(コーポレートカードストップ)
・オカンに迷惑をかけた
・多くの人に心配をかけた(多くないかもしれないがw)
<良かったこと>
・EUの経済や治安に対して深く考えた(なぜ盗難が横行するのか?)
・不本意な形ではあるが難民の皆さんに少しだけ寄附ができた
・多くの人に助けられて生きていることを再認識した
・いつか誰かに恩送りをしたいという良い気持ちになれた
・困難は乗り越えられると自信を持てた
・ネタとして面白いものを手に入れた
・パスポートを失っても動じない強いハートを手に入れた
・貸し借りができたことで人とのツナガリが強くなった(マサコはん!)
・「さすがヂロちゃん」とフォーラムメンバーに評価された
・極貧旅行を通じて、ハングリー精神を呼び戻された
・お金を使わない旅の楽しみ方を知れた
・少ないお金で得た食べ物は、とても美味しかった
と、僕的には良いことづくめだったと思ってます。
ローマで人気ナンバーワン(利用率ナンバーワン?)のアクティビティ、それが「スリ・置き引き・盗難」、被害にあわないことも大事ですが、経験することもなかなか良かったですよ。
ついつい、貧困国へのドネーションばかりに目が生きがちですが、実は先進国の隙間に「貧困国よりも厳しい貧困」があるのだと思いました。
先進国だからという理由で、なかなか手を差し伸べられない人たちがいること。
おそらく、プロの窃盗団はイタリアの人ではなく、EUに流れ込んでいる中東やアフリカの難民の方だと思うのです。
これを機会に、大したことはできませんが、そういう難民の方を支援できる手段も探っていきたいと思います。