ぢろぐ~馬鹿が日本を元気にする

このブログは、「馬鹿が日本を元気にする」を理念に掲げ、 泣いたり笑ったり、ときおり本気で闘ったりしている、 BNGグループ代表 蔵元二郎の日々をつづる、ちょっと九州男児な日記である

郷に入っては郷に従え(ローマ訪問記)2

time 2016/06/27

郷に入っては郷に従え(ローマ訪問記)2

全財産とパスポートを失ってから20-30分後、僕はジョニー(仮名)と出会った。

ジョニーはなまりの強い英語を話す陽気な警察官。

深夜のローマテルミニ駅前の交番に居た。

3人の警察官の中で、最も英語が得意な様子だった。

(写真はグーグルで拾ったもので、ジョニーとは関係ありません)

 

 

 

 

僕は超落ち込んでいるのだが、ジョニーにはスマホゲームのほうが関心度が高いらしい。

「とにかくクレジットカードをストップしな、その連絡が終わったら書類を書こう。で、電話は署を出てかけてくれな、この建物は電波が悪いからさ」

とジョニー言われ、携帯電話でクレジットカード会社3社に電話をかける。

 

 

途中、マスターカードのコールセンター@アメリカの日本語スタッフが日本語が不得手で、違う部署をたらいまわしにされたり、充電が20%を切り始めたりしてイライラするが、45分程度ですべての手続きを終えた。

このとき23時くらいだったと思う。

 

 

 

深夜、あたりは暗く「POLICE」の看板だけがあたりを照らす。

いまにもバッテリー切れしそうな携帯電話を片手に、異国のコールセンタースタッフと会話をする。

落ち込む僕と、明朗活発に事務をこなすコールセンタースタッフ。

会話のBGMとして、カチカチという入力音が聞こえてくる。

そして、時折、交番に駆け込んでくる人たち。

落ち込んでたり、怒ってたり。

ジョニーは相変わらずの適当な仕草で、駆け込んでくる人を捌き続ける。

そしてスマホゲームへの集中力も欠かさない。

 

 

 

 

「カード会社への電話終わったよ」とジョニーに声をかけると、

「この用紙を記入しろ」とポリスレポートを渡される。

 

「ペン貸してくれないかな?」とお願いすると、

「なんだよペンも持ってないのかよ?」という顔をされる。

 

「だからカバンごと盗まれたって言ってんだろ」という顔をすると

「このペン出るかわからないけどね?」という表情でペンを渡される。

 

 

 

 

記入は簡単で10分程度で終わる。

それを渡すと、ペンのやりとりあたりから不機嫌なジョニーが、用紙を持って2階に上がる。

 

 

待つこと10分。

ジョニーは、陽気に戻って帰ってきた。

「OK!FINISH!」

そう言って用紙(ポリスレポート)を僕に渡す。

「え?こんだけ?パスポートとか盗まれてんのに?」と僕が言うと

「それ持って明日は大使館に行きな!OK!FINISH!」と繰り返される。

 

 

 

まあ、そうか。

これだけスリや盗難が多発していれば、多くの事件の中の一つだよな。

襲われたり怪我したわけでもないし、ローマのテルミニ駅(中央駅)前の交番なのに3人しかいないことを考えれば、むしろ親切に対応してくれたとも言える。ペンのインクも出たし。

 

 

 

 

時計を見た。

24時前を指していた。

日本時間では午前7時だ。

ほぼ徹夜と思えば、冷静に考えることすら出来ないのかもしれない。

とりあえず宿に戻ってシャワーを浴びよう。

 

 

 

ジョニー、お前も仕事がんばれよ。

心でつぶやいて、宿に向かって歩き始めた。

 

 

 

 

次回。

結論として「ローマでカバンを盗まれて良かった」に至ります。

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プロフィール

蔵元ぢろ

蔵元ぢろ

鹿児島県出身。九州大学卒業後、大手金融機関にて採用・経営企画に携わった後に、ベンチャー企業にて新規事業の立ち上げに従事。 で、いろいろ経て。27歳で、ジェイブレインという会社を創りましたとさ。 34歳でBNGパートナーズを起業しましたとさ。気が付けば7社くらいのBNGグループになりましたとさ。つづく。