2024/08/03
20代の頃、僕は、ある上司(Aさん)が仕事が出来ない事に大きな不満を抱えていた。
それを上司の上司(Bさん)に、ポロッと愚痴ったとき、僕は救われた経験があるのでシェアしたいと思う。
Aさんは、(実際はわからないが)当時の僕には、非常に仕事が不得手な上司に見えた。
ブラックボックスは作るし、他部門からのクレームを良く受けているし、判断基準も不明瞭だった。実際、他部門から話しかけやすかった若手の僕は、「お前んとこ、どないなっとんねん?」とか、「大変やろ(苦笑)」などと声をかけてもらうことが多かった。
僕は非常に嫌な思いをしていた。自部門の評価が低いことは、自身の評価が低いということだし、悔しかった。どうにかしたいと思っていた。
そうは思いながらも、同僚なんかにはAさんへの不満をよく話していた。
あるとき、Aさんの上司にあたるBさんと話すことがあった。
僕はいつもの調子でAさんへの不満を、知らず知らずのうちにぶつけていた。
そこでBさんが教えてくれたことは、とても大切なことだった。
僕
「Aさんに言っているのですが・・・・ツラツラツラ・・・・」
Bさん
「まあでも、馬鹿を使えない奴はもっと馬鹿だからな」
僕
「どういう意味ですか?」
Bさん
「そのまんまだよ。
お前はAさんが無能だと言っているが、お前は無能な人ですら管理できない“もっと無能な人材”ということだよ。
いいか、人には得手不得手がある。Aさんには不得手なことがたくさんあるかもしれない、しかし、それが分かっていながら成果を出せずにいるお前はそれ以下だ。他人の責任にしているだけで、お前は何をしたんだ?」
僕
「・・・・・」
僕はとても悔しかった。
たしかに批判ばかりしている自分が嫌いでもあったし、結果として成果を出せていない自分を守ろうとAさんの批判をしていたことに気付いた。
それから、「馬鹿を使えないやつは馬鹿」という言葉を肝に銘じて行動し始めた。
Aさんが「私がやっておきます」と言っても、任せられないと思えることは「いや、僕がやりますので関係書類を全部出してください」と言ったり、納期が月末の処理を、25日までに提出してくださいとAさんに指示をしたりした。
Aさんが「会社の方針として・・・・」と言っても、オカシイと思うことはBさんに確認をしたり、他部門の責任者に直接聞きに言ったりした。それまでAさんというバイアスが生んでいた多くの他部門との誤解も解け、業務がスムーズにまわり始めるようになった。
そうすると、他部門の責任者もAさんに連絡しても不十分と感じたことは、僕に問い合わせが入るようになってきた。
それが組織として良いか悪いかは議論が残ると事だけど、いずれにしても全社としての成果は出せるようになったし、僕もチカラを付ける機会になった。
厳しい現実だが、この世に完璧な上司なんていない。
そんな現実社会の中で、愚痴を言うのも、上司をマネジメントして成果を出すのも、自分の選択次第だということだ。
誰にも強要されることではないので、自分の意思で選択すれば良い。
これは上司にも言える。
この世に完璧な部下なんていない。
それを愚痴るのも、マネジメントを発揮して成果に向かうのも、選択次第だ。
大事なのは、「成果にフォーカス」する人が、一人でも多くチームに存在するかということだ。