2024/08/03
10年くらい前の話ですが、ある起業家が新卒採用イベントで見せてくれたパフォーマンス。
ベンチャー企業(新規事業含む)におけるリスクとリターンの説明がわかりやすかったので紹介します。
会場には約100名の学生さん、イベント冒頭の自己紹介でその起業家はパフォーマンスを始めました。
椅子から立ち上がり、マイクを持つと、胸元から封筒を1つ取り出して言いました。
「この封筒の中には壱万円が入ってます。欲しい人は居ますか?」
会場はシーンとしました。
あきらかに戸惑う学生さんたち。
手を挙げる学生さんは居ません。
いきなり壱万円をあげると言われて疑ったり、戸惑ったりしています。
10秒くらいして、1人の学生さんが恐る恐る手を挙げました。
「はい、そこの手を挙げた彼、前に出てきてもらえますか?」
手を挙げた学生さんが前に出て行くと、起業家は封筒を空け、中身の壱万円を見せてプレゼントします。
会場にはどよめきと拍手。
次に起業家は言いました。
「この中にもお金が入ってます。欲しい人居ますか?」
さっきとは打って変わって手が挙がります。
本当にお金が入っている。
何かのトリックではない。
何かをやらされる訳ではない。
そう確信した大勢が、即座に手を挙げます。
その中の一人を指差して、壇上に呼びます。
そして、同じように封筒からお金を取り出します。
出てきたのは千円札。
後に起業家は語り始めます。
これがベンチャーです。
最初に何かをするとき、うまくいくかわかりません。
多くの人は様子を見ます。
リスクを恐れて行動はしません。
でも、誰かが行動をして上手くいくと、それを真似して多くの人が行動を起こします。
しかし、そのとき手に入るものは少なくなっています。
もちろん、今回のように壱万円が手に入るとは限りません。
もしかしたら封筒の中身は空っぽかもしれません。
恥をかくかもしれません。
無駄な行動だったと思うかもしれません。
それがベンチャーなのです。
その起業家は「ベンチャー」という表現を使っていましたが、起業も新規事業も、そもそもすべての挑戦が同じことだと言えます。
別の言い方をすると 「様子見をするリスク」 とも言えます。
どちらが良いとか悪いではなく、リスクとリターンの相関関係として知っておいて損は無いでしょう。