株式会社ビビッドガーデン
2016年創業「生産者の“こだわり”が、正当に評価される世界へ」を掲げ、日本最大の産直通販サイト『食べチョク』を運営する。 2020年からのコロナ災害による飲食店・百貨店の休業など第一次産業の危機的状況に対し、会社の行動指針「生産者ファースト」をもとに「何とかしたい」という思いから会社全体で支援施策を実施。 外出自粛による巣ごもり需要の高まりが後押した結果、急成長を成し遂げた。
急伸する『食べチョク』を支え、新たなフェーズを支える新しい組織を作るために。
全国の農家・漁師から、野菜や水産物などを直接購入できるオンライン直売所『食べチョク』を運営する、株式会社ビビッドガーデン(以下、ビビッドガーデン)。
コロナ禍では生産者支援にいち早く乗り出し、流通総額は2年で128倍に激増した。この急激な成長を支える人材として、BNGパートナーズからこれまで5名の採用支援を行っている。
採用に至った経緯の深堀と、今後の事業展望について、取締役兼執行役員COOである山下麻亜子さんにお話を伺った。
同じものさしでは測りきれない価値
山下:当社は『生産者のこだわりが正当に評価される世界へ』というビジョンをもって事業を行っています。
『食べチョク』での農作物の取り扱い方針は「自然環境に配慮し、農薬や化学肥料の使用を節減または管理して栽培された商品」のみ。
出品できる商品に基準を設け、審査を通過した生産者だけが販売できる仕組みです。
ほとんどが家族経営の中小規模事業者の方々なので、大量生産はできません。その代わり、味や品質にこだわりをもって取り組まれています。
例えば、トマトひとつとっても多様です。「これがトマト?」と驚くくらい甘いものもあれば、伝統的な農法で作付けし、昔ながらの風味を味わえるトマトもあります。
しかし、生産者がどれだけ精魂込めて良いものを作ったとしても、収穫高が少なかったり、色や形の規格が合わなかったりで、値が付かずに売れないという現状がありました。売れたとしても、販売価格が決められている流通ルートでは利益をあげることが難しい。
採算が取れなければ事業として成り立ちません。
そこで生産者と消費者を直接結ぶ事で流通コストを削減し、その分こだわりを価値に変えて適正価格でご購入いただくことで、課題の解決を目指しています。
岡本:品種やその特徴、どんなこだわりがあるのか……そんなストーリーを知れば、興味もわきますし、お気に入りの野菜と出会った時は応援したくなりますね。
うちの子供も『食べチョク』で、とある品種に出会ってからその品種であれば食べてくれるのでとても助かっています。
生産者の方々に対する支援が、結果的に生活を豊かにする消費体験も提供しているんですね。
コロナ禍の急成長で人材不足を痛感するも……
岡本:我々がビビッドガーデンさんとご縁をいただいたのは、2020年の4月。コロナ禍による一回目の緊急事態宣言が発令された頃ですね。
BNGを懇意にしていただいているクライアントのCTO経由で「採用を本気で強化したい企業」としてご紹介いただいたのがきっかけでした。
山下:私の入社が2020年6月なので、当時のことは伝聞になりますが、
コロナ禍中の『食べチョク』による生産者支援は大きな反響を呼び、3~5月には会員数が43倍に。1ヶ月分の注文が1日で入るほどになったんです。
当社は、一般的なプラットフォームと異なり、お客様と生産者さんの間に入って、問い合わせ対応やフォローも行っています。
今でこそ社員数は60名を超え、アルバイトの方も含めると110名以上のスタッフが在籍していますが、当時(2020年3月)のスタッフは10名ほど。
「人が全然足りない」状況に陥りました。
かといって、どんな人でも良いわけではありません。必要な人材を求めて、いろいろなエージェントさんを頼りました。
悩みどころは「どういう人を求めていますか?」という問いに対して、会社としての大きな方向性は説明できても、必要とする人材要件を具体的に落とし込んで言語化するのが難しかったことです。
BNGパートナーズさんは、そんな当社の状況や意図をうまく汲んでいただいて、ピッタリな人をご紹介いただいたと聞いています。
岡本:秋元さんが語られていた「これからのビジョン」とまさに同じwillを持っていて、食や健康についても意識の高い候補者さんがちょうどいらしたんです。
お話を聞いてみると、やりたいことも秋元さんととても近いと感じました。それで「すぐにお引き合わせさせてください!」と連絡した記憶があります。
山下:その方も含め、BNGパートナーズさんからご紹介いただいた方々は、皆さん大活躍されています。
「もしこの人がいなかったら、私が倒れていたかもしれない」と思うこともしばしばです。本当に良い方たちをご紹介いただいたと感謝しています。
なぜ?不思議とマッチする。BNGパートナーズからの紹介
山下:BNGさんの印象は、一言で表すと「何とかしてくれる」。いつも絶妙なタイミングで助けていただいているので。あとその時々の「キーパーソン」にふさわしい方が多い印象があります。
「見つかりにくいけれど、良い人が来てくれたら事業が凄く伸びるはず」というポジションへのマッチング率がとても高いです。
2年かけて数十名の候補者の方がいらっしゃっても採用できなかったポジションも、BNGパートナーズさんからの紹介で決まりました。
いま振り返ってみると、もし採用があと数ヶ月遅かったら、大きな経営課題を抱えることになっていたと思います。
岡本:我々は「ベンチャー×幹部採用領域における圧倒的ナンバーワン」を目指しているので、「キーパーソン」の人材が多いという評価はとても嬉しいです。
山下:ご紹介いただく方は、バックグラウンドが多彩という印象もあります。
日系や外資の大手企業ご出身の方など、スタートアップから一見遠そうに見える方も実際にご入社いただくとマッチするのが不思議です。
採用にあたっては、当社の理念に共感していただくことは必要ですが、似たような感性の人間ばかりが集まってしまうと、逆に組織の成長を妨げてしまいます。
その点、本当にバランスよく適材適所の方々をご紹介いただけました。
入社する方ではなく、活躍する方のご紹介
山下:BNGパートナーズさんは、ご入社の意思決定に積極的に関わってくださったのも印象に残っています。
「この仕事は本当にご自身がやりたい事なのか?」と候補者目線で気持ちに寄り添っていて、最終的な意思決定までのサポートがとても丁寧な感じがしました。
近藤:普段から、候補者の方と密にコミュニケーションを取るように心掛けているのが、意思決定のタイミングでも功を奏しているのかもしれません。
当たり前のことですが、ビビッドガーデンさんで得た情報は逐一共有しています。そして期待値や疑問点などすり合わせた上で面接に同席を実施。
面接後もどう思ったか、何を考えたか?疑問点や懸念点、追加で聞いておきたい事はあるか?などヒアリングのお時間をいただいております。
ご入社後も実際に働いてみてどうだったかフィードバックをいただくなど、長期的な支援ができるよう意識しています。
岡本:ビビッドガーデンさんの場合、代表の秋元さんにBNGのオフィスにお越しいただいた点も大きかったです。
秋元さんの事業にかける熱意に触れたことで、御社に対するプライオリティーが加速し、結果的に採用の活性化に繋がりました。
御社の目覚ましい成長は、まるで自分事のように嬉しいです。
山下:本当にありがたいことです。こうした会社同士のコミュニケーションが、人材紹介の確度を上げてくれるという効果もあるのでしょうか?
近藤:会社同士も人と同じです。コミュニケーションの量が増えれば、それだけ定性的な情報がインプットされます。
何度も先方に訪問していると「この雰囲気にはあの人が合いそう」といったイメージが湧いてくるようになってくるので、確度は上がってきます。
こういった点においては数値化や言語化が難しい部分です。しかし働く上で重要な部分であることは確かなので、しっかり取りにいくことがエージェントの価値であるとも考えています。
山下:そこまでされているからマッチング率が高いんですね。
あと、BNGパートナーズさんからご紹介いただいた方は皆さん、立ち上がりまでのスピードの速さに驚きました。
当社はまだ正社員60名ほどのチームなので、初めて採用するポジションがたくさんあります。
前任者がいないため、受け入れ態勢を完全に整えて迎え入れられるかというと必ずしもそうではありません。
そんな中でも、最初からオーナーシップがある方ばかりで、やるべきことを自分で開拓して、軌道に乗せていくまでがとても速いという共通項があります。
岡本:確かに、スタートアップに特化していることもあり、すでにオーナーシップを持っていたり、自分で「こうしたい」というwillを持っていたりする方が多いですね。
当社では、紹介して入社したら終了ではなく、その後ちゃんと活躍されているかどうかが大事なポイントであり、それも含めて当社のサービスだと考えています。
山下:せっかくご入社いただいても、本人の希望とその会社のポジションに求められていることにズレがあると、入社後に「聞いていた話と違う」「これは自分の仕事じゃない」となってしまいますよね。BNGパートナーズさんを通した採用では、それがほぼありません。
岡本:ビビッドガーデンさんに限らず、当社でご紹介した方の3カ月以内の退職は、直近1年で0.02%なので、ほとんどいらっしゃらないですね。
定量的な事柄だけでは無く、表に出ていないような、人だからこそ感じられる定性情報をしっかり共有すること、採用過程でのマメなフォロー、そして入社する人材ではなく、活躍する人材をご紹介する事が我々のサービスであると意識している点がこの結果に結びついているのだと思います。
新たな課題。そしてBNGへの期待
山下:『食べチョク』は「第一次産業が抱える課題をビジネスの力で何とかしたい」という思いから始まった事業です。
今はまだ、消費者の方にとっては『食べチョク』は食材の購入手段の一つに過ぎません。
日常的に『食べチョク』を楽しんでいただくにはどうすれば良いか、普通の産直ECサイトにとどまらないサービス展開を目指しています。第2、第3の事業展開も計画中です。
その中でBNGパートナーズさんに期待していることが2つあります。
1つ目は、当社の組織フェーズがここ1~2年で大きく変わると思うので、引き続き採用を助けていただきたいということ。
2つ目は、そのフェーズごとの組織課題の解決に伴走いただきたいということです。
例えば「何人の壁」というような、起き得る組織課題について、色々と他社事例や取るべき施策について調べたり聞くことはできます。
ですが、それがいざ自社のこととなった時に「どうやったら防げるか」「乗り切るためには何が必要か」と具体的になると、各社解決してきた方法が様々で「結局、今のうちには何が良いのか?」ということを前もって考えていくことが難しいです。
なので、今まで伴走していただいていたBNGパートナーズさんだからこそ見える視点で「そろそろ考え方を変える時期だ」「今の段階ならこんなやり方もできる」等といったご提案もいただけると本当に助かります。
岡本:ぜひ、引き続き伴走させてください。
BNGでは成長フェーズでつまずく企業課題のデータを豊富に持ち合わせておりますので様々な戦略のご提案が可能です。
一方で、同じような事業規模やフェーズでもどこから・どういう風に対応していくかはそれぞれ違いがあり、企業ごとにカスタマイズが必要です。
その中で「経営層が目指す組織の在り方」が最も重要なポイントになりますので、ビビッドガーデンさんが目指す組織の方向性や組織に対する想いを大切にしながら、ご提案をいたします!